まずCisco ネットワーク機器にはいくつかの異なるモードがあり、それぞれに特定の目的があります。
1. User EXEC モード: ユーザがログインしている状態で、機器の情報を確認することができます。ユーザ EXEC モードでは、機器に対する変更をすることはできません。
2. Privileged EXEC モード: ユーザが特権モードにアップグレードすることで、機器の設定変更を行うことができます。このモードでは、Show コマンドやDebugコマンドなどが利用可能です。
3. Global Configuration モード: このモードでは、機器全体に関する設定を行うことができます。例えば、インターフェイスの設定、VLAN の設定、アドレス解決プロトコルの設定などが行えます。
4. Interface Configuration モード: このモードでは、特定のインターフェイスに関する設定を行うことができます。例えば、IP アドレスの設定、シリアル接続の設定、インターフェイスの有効・無効化などが行えます。
これらのモードは、特定のタスクに応じて使い分けができます。どのモードを使用するかは、特定のタスクに応じて異なりますが、通常は Global Configuration モードや Interface Configuration モードを使用することが多いです。
Cisco ネットワーク機器の基本設定コマンドの一覧です。
1. シリアル接続の設定:
* line console 0: コンソール接続の設定
* password <パスワード>: コンソール接続のパスワード設定
* login: コンソール接続のパスワード認証の設定
* exit: コンソール接続設定の終了
2. IP アドレスの設定:
* interface <インターフェイス名>: インターフェイス設定の起点
* ip address <IPアドレス> <サブネットマスク>: IP アドレスとサブネットマスクの設定
* no shutdown: インターフェイスの有効化
* exit: インターフェイス設定の終了
3. ルーティングの設定:
* router <ルーティングプロトコル>: ルーティングプロトコルの設定
* network <ネットワークアドレス> <サブネットマスク>: ルーティングテーブルに追加するネットワークアドレスの設定
* exit: ルーティングプロトコル設定の終了
4. VLAN の設定:
* vlan <VLAN ID>: VLAN の設定
* name <VLAN名>: VLAN 名の設定
* exit: VLAN 設定の終了
これらは最も基本的なコマンドの一部であり、Cisco ネットワーク機器においては多数の他の設定コマンドがあります。詳細な設定に関しては、Cisco の Web サイトや公式のドキュメントなどで詳細に調べることができます。
ルーティング
Cisco ルータを使って、異なるネットワーク間の通信を管理することを指します。ルーティングは、通信を送信する際に、最適な経路を選択するために使用されます。
Cisco ルーティングは、以下のような場合に使われます。
- 大規模なネットワークの管理: 複数のサブネットを含む大規模なネットワークの管理には、Cisco ルーティングが有効です。
- インターネット接続: インターネット接続を行う場合、Cisco ルーティングを使用することで、各サブネットからのトラフィックを管理することができます。
- 分散されたオフィスのネットワーク: 複数のオフィスを有する分散型ネットワークにおいて、Cisco ルーティングを使用することで、各オフィス間の通信を管理することができます。
- VPN接続: VPN(Virtual Private Network)接続を行う場合、Cisco ルーティングを使用することで、リモートからのトラフィックを管理することができます。
これらは、Cisco ルーティングが使用される主な用途です。実際の環境に応じて、その他にも多数の使用例があります。
Cisco ルーティング基礎について説明します。
- ネットワークの分割: 最初に、大きなネットワークを複数の小さなネットワーク(サブネット)に分割することができます。これにより、ネットワークのセキュリティや管理が簡単になります。
- ルーティングテーブル: 各ルータには、他のネットワークへのパスを示すルーティングテーブルがあります。ルーティングテーブルは、接続されたネットワークや他のルータから受け取った情報に基づいて動的に更新されます。
- ルーティングプロトコル: ルータ同士でのルーティング情報のやりとりには、複数のルーティングプロトコルがあります。一般的に使用されるものには、RIP(Routing Information Protocol)やOSPF(Open Shortest Path First)などがあります。
- スタティックルーティング: スタティックルーティングは、手動で設定することによって、特定のパスを指定することができます。これは、動的ルーティングプロトコルを使用する場合に、特定のパスを固定するために使用されます。
Cisco ルータにおけるスタティックルーティングの設定例です。
Router> enable
Router# configure terminal
Router(config)# ip route [目的のIPアドレス] [マスク] [ゲートウェイ]
Router(config)# end
Router#
🌟これらの概念を理解し、適切に設定することで、Cisco ルーティングの基礎を学ぶことができます。
以下は、Cisco ルータ上でのスタティックルーティングの一般的な設定方法です。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# ip route destination_network subnet_mask next_hop_ip
Router(config)# end
Router#
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# ip route 192.168.10.0 255.255.255.0 192.168.1.1
Router(config)# end
Router#
この例では、「destination_network」が 192.168.10.0、「subnet_mask」が 255.255.255.0、「next_hop_ip」が 192.168.1.1 のスタティックルーティングが設定されています。この設定により、192.168.10.0/24 サブネットへのトラフィックは、次のホップとして 192.168.1.1 にルーティングされます。